Portfolio 03

ステートメント
家のデザインに携わりはじめて、
かれこれ25年が経つ。
今まで色々なジャンルの設計をしてきて、2000件を超えるデザインをしてきた。
新鮮なアイデアを捻り出すためには、
インプットに惜しみなく時間とお金を使う必要がある。
自分でできる可能性にとにかくチャレンジし、いつも自分自身をアップデートしてきた。
日本人の多くは、生まれ育った場所に家を建て、そこに住み続ける。
ずっと住み続ける自分の家。
そこに住まう人それぞれの深い想いがあり、一生に一度の最大のイベントに夢を膨らませている。
しかし、現状はどうなのか。
心から満足して、夢見た住まいを手にしている人は世の中に少ないと私は感じている。
何となく勧められたから。
出会った営業マンの人柄が良かったから。
勢いで。
この業界に長年携わってきてよく聞く言葉だ。
本来の自分が手にしたかった夢の計画がそれでいいのだろうか?ずっと憤りを感じていた。
本当に自分にフィットする暮らしの空間を素人の知識で手に入れることはハッキリ言って難しい。
だからこそ、培った経験と。磨きに磨き続けてきたセンスとスキルを有した設計のプロ中のプロが必要なのだ。
家で快適に過ごすためには、数字や見た目でわかる性能や機能は確かに必要です。
ここまでテクノロジーが進んだ現代では、それは当たり前。
今の時代に性能にこだわるなんて、人が空気を吸うくらい当たり前な事。
しかし、今の時代でも、そこだけにこだわり続け
一度も図面を引いたことがない素人クライアントの「口から出た事」をそのまま描いて満足する家があまりにも世の中に多すぎる。
今の時代当たり前の性能を有し、かつ、デザインはデザインのプロがするべきだと私は考える。
ポルシェにエンジンをどうして欲しい。
ボディの鉄板を薄くして欲しい。
そういうことを言う人もいないし、メーカーも受け付けない。
「住宅業界のポルシェをつくりたい」。
vacancesの生みの親である、岡崎富夢氏から、デザインの依頼が入った。
どのようなデザインの方向性でいくのか。
現状を見渡すと、日本でよく目にする住宅街は外から見ても家それぞれの違いや個性がわからない。
家は一生に一度の買い物。
だからこそ、我が家が愛おしく思え、全てが満たされ癒されて、活力にもなる住まいであること。
心から楽しいと思える住まいをもっともっと日本に増やしていきたい。
毎日家に帰りる時、見上げる家が素敵とテンションが上がる気持ちになる。
足すデザインではなく、引算のデザイン。
シンプルで飽きない外観はずっと見ていたくなる愛着に繋がる。
そして、今まで100棟を越えるCOLORS付きの家をデザインしてきた経験を活かし、
ラグジュアリーテラスの魅力を十二分に引き出すデザインであること。
そうして生まれたのがvacances です。
どの様な立地にも、vacancesの外観は正面がまず美しく、角度のある方向からも美しく見えるメリハリを付けた。
クールなデザインの中にも、自然木がさりげなく感じる部分から、誘われるようにエントリーしていくアプローチは。
旅先のリゾートホテルにチェックインして、お部屋に入る前の、中はどうなっているんだろうと、期待感を募らせるあのワクワク感をイメージしてデザインした。
デザイン×遊びゴコロを感じてほしい。
住むに必要な機能は1階にまとめ。
階段を上がれば、スイッチを切り替えるように、そこは好きなことを好きなだけできる空間が広がる。
「2階で早く過ごしたい」と思える気持ちが掻き立てられる。
そうすると家族が自然に集い、会話が弾み楽しいコミュニケーションが生まれる。
エントランスから室内に入ると、ひっそりと静かな空間があり、帰宅時に自然にクールダウンしてくれる。
階段を上がったその先には、まるで外にいるような感覚になるほどの光が満ち溢れて、一気に心が解放される空間。
COLORSででは季節感を味わいながら、今までは外出しないと出来なかった、キャンプやBBQを楽しめる。
スカイバスシアターはまるでフェスや屋外クラブに行ったテンションにさせてくれる。
スカイバスは、子供達が喜ぶプールにもなれば、満点の星空を眺めながらの露天風呂は至福のひと時。
楽しむためには、もちろん周囲への気配りも必要。
外部からはどの角度から見ても、室内の空間が分からない囲みがあるので安心しておもいっきり遊べる。
また、固定した屋根を付ける事で、日差しや雨も凌げていつも快適。
アウトサイドリビングでも、自然の空気感の中で本を読んだり、仕事したりと、まったりとした時間を過ごせる。
これだけ満たしてくれた住まいが今まであっただろうか?
けっして贅を尽くした豪華絢爛な建築ではない。
シンプルでスタイリッシュな外観に。
スカイバスシアター付きのCOLORSという宝物を詰め込んだ家。
それがvacancesです。
もう、手放したくない暮らしになるのは必然。
五感をくすぐり、毎日が旅先のリゾートホテルのように過ごせる暮らし。
そんな夢のような住まいが、今ここに生まれました。



